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旅の行程


H15/8/5~7 往復夜行バス


 23:30発  池袋       高速バス らくちん号 [2号車2B]


 06:50延着
[       ] 盛岡       やまびこ46号  [自由席]
 07:06発


 07:28着
[      ] 北上       北上線 普通列車 [2両]
 07:39発


 08:16着
[      ] ゆだ錦秋湖   北上線 普通列車 [2両]
 08:30発


 09:06着
[      ] 北上       東北本線 普通列車 [4両]
 09:15発


 09:27着
[      ] 花巻       釜石線 快速 はまゆり1号 [3号車8A]
 09:31発


 10:22着
[      ] 遠野       釜石線 普通列車 [2両]
 11:56発


 12:52着
[      ] 釜石       山田線 臨時快速列車 [3両]
 13:03発


 14:15着
[      ] 宮古       山田線岩泉線直通 普通列車 [1両]
 14:55発


 16:28着
[      ] 岩泉       岩泉線 普通列車 [1両]
 17:20発


 18:12着
[      ] 茂市       山田線 普通列車 [2両]
 18:31発


 20:41着
[      ] 盛岡       高速バス らくちん号 [3号車4C]
 22:40発


 05:40着  池袋

       

   青春18きっぷ  一回分
  らくちん号 (池袋三越裏~盛岡) 往復割引 ¥13,930
   やまびこ46号  (盛岡~北上)乗車券 ¥820
   やまびこ46号  (盛岡~北上)特急券 ¥840
  快速はまゆり号 (花巻~遠野)指定席 ¥510



1.旅の準備・計画
平成15年夏シーズン2回目は、東日本最後の秘境、岩泉線にいよいよチャレンジします。というのも、大学の後輩達が偶然にも岩泉で合宿を張るという。それならば先輩ヅラして表敬訪問を兼ねて岩泉へ行ってみようという気になったからだ。何かの目的を持って行く初めての旅と言えよう。
前々から気になっていた岩泉線。しかしそこを訪れるにはクリアしがたい難問が山積み。仕事の都合上、日帰りしなければならないからだ。合宿先に一晩お世話になりたいところだが、それも迷惑なので遠慮すべきだ。だったら連休取れそうな時に行けばいいじゃないかという気にもなるが、そうそう連休を取れないから苦労して行程を組んでいる訳だし…。とりあえずどういった行程がベストか考えを巡らす事にした。
まず岩泉線は列車本数が極めて少ない。やはり東日本王者只見線同様、日に3本しかない。しかしだ。岩泉線は更に運行時間が偏っており、早朝1本と夕方2本。只見線のように日中走る列車がない。必然的に乗る列車が限られる。
加えて接続する山田線もひどい有様で、岩泉からの帰りに盛岡駅まで乗ったとしても、東京行き最終の新幹線微妙に接続しないときた。これはもうどういう訳??。せめて接続できるようダイヤ組んでよ。僅か3分ぐらいの差なんだからどっちか譲歩すれば出来そうなんだけどねぇ。このせいもあって、岩泉線日帰りは物理的に無理だ。
だからといって断念するのはもっと嫌だ。ここでピンときた。いつもは行きばかりに使う夜行バスを、帰りに使ってみようかなと。朝帰りだと翌日の仕事に影響を及ぼしかねないか心配ではあるが、その日の内に帰れないのだから仕方あるまい。しかも新幹線で帰るよりもずっと安くあがる。多少の疲れを何とか我慢して、やる価値はある。行きについても、同区間の夜行バスで向かえば往復割引の特典にもあずかれる。
1ヶ月前になって、早速ネットでバスを予約。すると盛岡便であるらくちん号は何と1度に4台も出ている人気路線だった。予約は難なく成功。さすがに1ヶ月前だと残席充分だったようだ。後は細かい行程を練るだけ。早朝に盛岡駅に着くから、釜石線との周回ルートが真っ先に思いつく。釜石線も未乗だし、丁度いい。接続も思ったほど悪くなく、あとは余った時間を有効に使えるよう微調整で何とかなりそう。
往復夜行バスを使う事により、出先での時間がかなりある。いつもは時間に追われつつ、せわしない行程の連続だったが、今回に限っては余裕を持って臨めそうな旅になりそうだ。


今回は2回目の部分 (幹)北上駅となっている


2.らくちん号
らくちん号に乗る前、乗り場を調べておこうかと思い立ち、出発前々日池袋へと車を走らせた。午後11時過ぎ、池袋三越裏へたどり着いた時、異様な人のかたまりに目を疑った。皆、大きな荷物を持ち、壁に寄りかかったりガードレールの上にいたり。中には地べたにそのまま座っていたりと、三越の一角だけ明らかに雰囲気が違う。40~50人はいるだろうか。
そうこうする内、順次バスがやってきてゾロゾロと行列を作る。15分ぐらい停車した後、前から順に出発していった。想像以上に需要があるのが判った。その日はそのまま家へ帰った。
そして当日。入浴を済ませ、いざ池袋駅へ。ながら号の時より池袋駅なら出発を20分ほど遅らせる事が出来るため、支度ものんびり出来る。昨日見た感じだと定刻には出そうもないから尚更だ。不必要に車内トイレに行く事を抑えるため、直前に用を済ませておく事が肝心。あと、暑いから水分の補給は重要だが、飲み過ぎるとやはりトイレに行きたくなってしまう可能性があるから控えめにしておく。
不夜城の池袋駅。深夜でも人が大勢いる。それでも駅に向かう人波の方が圧倒的に多く、流れに逆らって三越裏へと行く。そして今日もやっぱりバス待ちの人々が思い思いにたむろっていた。老いも若きも、男も女も入り交じっている。
23時30分過ぎ、1号車がようやくやってきた。少し間をおいて次々と他のバスもきた。4台も来るから、まるで道路に壁が出来たような状態になった。よく見るとバス毎に会社名が違う。私の乗る2号車岩手県交通バスだった。席番が2列目なので先に乗っても邪魔になるだけと思い、混雑が収まるのを待つ。普段から荷物が少ないので預けるものなど無いが、皆結構大荷物だ。トランクがどんどん埋まって行く。
2号車で一番最後に乗車。後ろを見渡すともう満席の様子。僅かな網棚のスペースに荷物をねじ込む。今日は真ん中のB席。独立シートだから隣の人と触れ合う事はないが、どちらかが壁の方が有り難かったかな。後ろの人に断り、早速シートを全部倒す。夜行高速バスはこれがイイ。乗ったとたんにリラックスできる。
走り出して暫しすると消灯。これだけ乗っていると少しはウルサイかなと思ったけど、皆紳士。消灯後は本当に静か。逆に大イビキかきの私の方が迷惑なんじゃないかと心配になる。暑いけど少しはマシかなと思い、タオルをマスク代わりにして顔に巻く。
走りが安定してきたようなので、高速道路に入ったんだなとわかる。そのうちすっかり寝入ってしまった。明るさを感じて目が覚めると、もう高速道路を降りていて、間もなく盛岡駅に着くという。明るさを感じたのは、運転席を仕切るカーテンが外されたからだった。
ただ…。どうも交通事情が悪かったようで若干遅れ気味。予定している列車に間に合うかどうか微妙な感じになってる。1分でも早く着いて欲しいのに、やたらと信号に阻まれる。あぁもう、じれったいったらないな。
  リンク→高速バスらくちん号(国際興業のサイト)


3.やまびこ46号
ようやく盛岡駅に到着。が、時既に遅し。6時30分到着予定が20分遅れてしまった。予定では6時47分発の普通列車北上駅に向かう予定だったのに…。速攻で降りられるよう支度を済ませていたのにね。もう間に合わないと判ったから、そんなに急いで降りなくてもイイや。
夜行バスって余裕をもって走っていると思ってたけど、結構カツカツのスケジュールなんだね。まあ、列車と違ってバスは遅れるものとの思いこみがあったので、がっかりは特にしなかった。けれど、余計なお金がかかるのはちょっと痛いかな。
というのも、もしバスが遅れた場合、新幹線でフォロー出来る事を想定しておいたからだ。あにはからんや、現実に新幹線を使う事になろうとは。もっとも今回の旅は三陸海岸中心だから、急いで北上駅へ行く必然性は全くない。このまま盛岡駅で次の普通列車を待っても充分時間がある。しかし余った時間をただボーッと過ごすのもアレだな。折角乗りに来ているんだから当初のプラン通り行くか。
迷っていると動きが鈍るから意を決して自動券売機で切符を買い、新幹線ホームへ。いつもならば青春18きっぷで入場し、新幹線乗換口にきっぷを投入するのだが、盛岡駅新幹線改札口の方が近いのでそのまま入った。早朝の盛岡駅といえども、上りホームにはそれなりに人出もあり、自由席もいい入りしている。
そういえば、盛岡駅に来るのは久しぶりだな。その間に東北新幹線八戸に伸延してしまったがね。定刻になってやまびこ46号東京行きが滑るように発車した。車両は至って普通の200系。いつものように右側に座る。左側はというと、朝日を浴びて眩しいのかブラインドを下ろす人ばかりで味気ない。
乗ったと思ったらもう新花巻駅。更に北上駅までは20分ぐらいしかかからない。盛岡駅から2駅あるが、自由席なら隣の駅扱いの為、割安で済むところが有り難い。北上駅で降車する客は少なく、乗車する人はいっぱいだ。ホームに出て振り返ると、私の座っていた席は既に座られていた。


4.北上線
さて、高速バスの遅れのため当初の予定が狂ってしまったが、新幹線を使ったことによって逆に少し時間が出来てしまった。在来線乗換口から北上線のホームに移動。ここでふと気付く。そうだ、青春18きっぷのハンコがないや。仕方ない、一旦出なきゃ。
普段なら新幹線の切符を記念に持ち帰るところだけど、盛岡~北上の切符じゃ貰いにくいなぁ…。渋々切符を手放す。改めて改札口でハンコを貰い再び北上線ホームへ。北上線ホームは切り欠きの0番線だ。改札入って階段無しにいけるのがマル。
が、北上線の列車は混んでいた。もう座れないほどに…。下りだから時間が時間でも大丈夫だと思っていたのに甘かったかな。乗らずに外で待っていたら、盛岡からの普通列車がやってきた。本来乗っていたはずの列車である。乗り換え時間が4分あったから充分だが、結構混んでいた模様。
乗換も済み北上線普通列車が発車した。2両編成でもギチギチで、結局最後尾のドア付近しかいられない。こんなに混むとは予想外だ。列車はすぐに東北本線と別れ、市街地の中を行く。江釣子駅で多少降り、藤根駅で交換した。上り列車は更に混んでいて、大変そうだ。
車窓は徐々にローカルな感じが出てきて、和賀川とランデブーし始める。トンネルをいくつか抜けると眼下に錦秋湖が見えた。そしてゆだ錦秋湖駅に降り立った。降りたのは私とおばあさんの2人だけだった。ここで上りの北上行きを待つ。
本来、今日北上線に乗る必然性は全くない。高速バス釜石線の接続の都合でポッカリと空いた時間を埋めるためだけの行程だ。ゆだ錦秋湖駅という中途半端な駅で降りたのには理由がある。次のほっとゆだ駅で交換する普通列車で折り返したい。しかし過去の経験から確実に乗り移れる保証など全くない。当然交換駅で下りから上りに乗り換える客などいるはずもない。場合によっちゃこちらのドア開いたとたん向こうが出発するケースもあり得る。
今回の場合、対向する上り列車の方が先にほっとゆだ駅に着いているはずなので、乗り逃したらリカバリーの効かない致命的なエラーになってしまう。そのリスクを避けるため、ひとつ手前のゆだ錦秋湖駅で迎えるというわけだ。それでも15分も待つわけだからまどろっこしい。
一緒に降りたおばあさんはいつの間にか消えていた。駅前を少し歩くも何もないので駅に戻る。ホームは1面しかないが、花がいっぱい咲いていた。ホームに直に腰を下ろし持参した菓子パンで朝食を摂る。するととんぼがたくさん飛んでいることに気付いた。田舎のとんぼのでかいことでかいこと。東京じゃお目にかかれない。
食べ終わった頃、数人の客がホームに来た。そして程なく普通列車がやってきた。混んではいたが座れないほどではなかった。ワンマン運転のため一応整理券を取ってみた。必要ないけどね。そして同じ線路を通り、北上駅まで戻ってきた。途中交換はなかったと思う。


ゆだ錦秋湖駅で思わず取った整理券


5.釜石線1
さて、いよいよ釜石線に入ります。その為には一旦花巻駅まで戻らねばならない。そこで快速はまゆり1号に乗り換える。さてそのはまゆり1号は前年まで急行陸中号だったからだろうか、指定席車両が1両ついている。おそらくすいているだろうと予想できるが、確実に座りたい&乗車記念にと指定券を買ってみることにした。花巻駅では乗換時間が僅少のため、ここ北上駅で指定券を買う。乗車まであと30分程だが、あっさりと窓側ゲット。もしかしてガラ空きか?。でもまぁいいや。
始発の盛岡行きに乗ってすぐに花巻駅に到着。はまゆり1号のホームへ移動。すると結構待っている人が多い。おぉ、指定券持っていて良かったと思う瞬間。キハ110系3両編成のはまゆり1号がやってきた。最後尾が指定席車両の3号車だ。前の車両を見ると立っている人も多く見受けられるが、この車両は少なめ。空席も目立つ。やはり500円払ってまで乗ろうという人は奇特なのかね。
指定席車両はリクライニングシートになっていて、そこそこ心地よさそう。が、逆向きである。それもそのはず、ここ花巻駅で進行方向が変わる。予めそうしてあるみたいだね。というわけで最後尾だった車両は先頭車となり花巻駅を発車した。
列車はすぐに東北本線と別れ一路釜石駅へと向かう。早速、車掌さんが来て検札をしていった。自由席が混み混みなのであぶれた数人がこちらになだれ込んできた。ほとんどが年配者だ。この車両だけ空いているから雰囲気で判りそうなものだと思うが、お構いなしに座り込む。グループなんか椅子を回転しちゃったりしている。もちろん車内放送でも案内はあるが、そんなの聞いちゃいない様子。やれやれ。案の定車掌さんに注意を受け、スゴスゴと引き上げていった。やれやれ。
新花巻駅に到着。新幹線との乗り換えのためか出入りが激しい。それでも降りる人の方が多いみたいで、後ろの車両にも余裕がでたようだ。しかし一番驚いたのは、新幹線乗換駅の割にはお粗末な駅だった。小海線佐久平駅のような…。土沢駅で交換したのち、国道と川とランデブーしながら列車は進む。快速列車だから小さな駅は無視して通過してゆく。
宮守駅に停車。そして次が遠野駅である。今日は一旦遠野駅で下車してみることにしている。このまま釜石駅まで行ってもいいのだけど、後々の接続を鑑み、ここで休憩を兼ねて途中下車しても結果は同じ。それならば何かと見所ありそうな遠野駅でぶらつくのも良かろうとの思いに至る。こんな事は我ながら珍しい事だ。
 


快速はまゆり1号の指定券
 
釜石駅前にある河童の彫刻像


6.釜石線2
遠野駅の次列車は普通の宮古行き。約90分待ちである。この間に散策と腹ごしらえを企む。遠野駅はJR東日本が力を入れる駅併設の宿泊施設を持つ。その為か非常にモダンで綺麗だ。駅前も整備されていて、感じが良い。河童伝説の地とあって、至る所に河童を題材にしたものが溢れている。
さて、何か食べようと周囲を見回すも目を引くものが無い感じ。歩いて5分ぐらいの所にとおの昔話村という観光施設があるのを調べておいたので、時間潰しにそちらへと行ってみることにした。非常に暑い中テクテクと歩いて昔話村入口まで来た。しかし何と入場料を取るという。何だか特別見たい訳じゃないし、踵を返して再び駅へと向かう。
まだまだ時間があるので他に何かないかと探すと、藏の道なる雰囲気の良さ気な通りを発見。そこで何か食べようと行ってみた。しか~し、平日の午前中ということもあってどこもかしこもまだ開いていない。カフェみたいな所じゃしょうがないしなぁ。諦めて暑い中、散策だけに留めて駅に戻ることにした。
遠野駅の駅舎並びには語り部さんが郷土民話を話してくれるスペースがあって、為になりそう。時間があればぜひ聞いてみたいところだ。結局食事は出来ず、駅の売店でおにぎりを買う。まだろっこしい時間を過ごしてしまったが、ようやく宮古行き普通列車がやってきた。
どこにいたのか遠野駅から乗る客は多くて、席を確保できたがボックス席は埋まった。車窓には段々と山が迫ってきて、スピードも控えめだ。うなるエンジン音が大きく感じられる。人家も少なくなりトンネルに突入。そして釜石線の目玉、陸中大橋駅のオメガループにさしかかった。目をこらしてよく見ると、はるか下方に線路が伺える。ほう、あそこまで降りるのかとワクワクしていたらまたトンネルだ。んでもってトンネル抜けるとあっさり陸中大橋駅に到着してしまった。
ん~、何だか拍子抜け。そしてここで交換。陸中大橋駅を出て、今度は見上げてみると洞門が見える。今交換した列車はあそこを通る。何とかチラリとでも見たかったが叶わなかった。周囲には再び人家が増え始め、製鉄所の煙突が大きくなってくると釜石駅である。釜石線の旅は中々見所のある楽しい旅であった。
  リンク→遠野市


7.山田線
釜石駅に到着。列車はここで実に50分も停車する。もう乗り通すレベルじゃないがね。空いた時間に釜石の街でも散策しようと思っていたところ、物珍しい列車が入ってきた。おぉ、ジョイフルトレインのkenji号じゃないか!。写真を撮ろうと近寄ると乗り込むお客がいるではないか。
手持ちの時刻表を読む。到着した列車は臨時快速列車ぐるっとさんりくトレイン1号のようだ。しかも今日は運転日。更にこの列車の折り返しを見ると、名のない臨時快速列車として宮古駅へと戻る。しかもすぐにだ。乗ってきた列車を馬鹿面して待つのが阿呆らしい。
普段から平日ばかりの旅なので、臨時列車があるなんて全く注意を払わなかった。臨時列車のほとんどが土日祝日に運転されるからな。しかも時刻表にも乗ってきた普通列車よりも前の行に載っていたから尚更判らなかった。よく読むと確かに乗り継げる。しかし案内放送なんて全くなかったぞ。お急ぎの方は…ぐらい案内してくれてもいいと思うがね。
そんな訳で図らずもkenji号に乗れてしまった。ジョイフルトレイン初体験である。しかも追加料金も指定券も不要だ。折角だから先頭車へ。すると先頭車前面展望の嬉しい設計。しかし既にお客でほぼ埋まっている。他の車両はガラガラなのにここだけ集中的に集まっている。トホホだ。
仕方ない、最後尾の車両へ回る。ここにも先頭車にあぶれた人が数人いたが、席は確保できた。考えることは皆同じか。で結局、釜石駅の改札を一度も出ることなく宮古駅へ向かうこととなった。前回訪れたときも降りなかったから、釜石の街には縁がないのかも?。
列車はすぐに出発。折角なので車内を見学。2号車の一部は3列シートとなっていて、座席の回転が自由自在に調節できる。何ともまぁ楽しそうな列車である。元の席に戻り、山田線の線路を暫し眺める。所々微妙に歪んで見えるのは錯覚だろうか?。
小さな駅を2つほど通過し、大槌駅に停車。ここでやはり臨時列車シーライナーリレー号と交換。シーライナー号といえばこの時期のみ走る有名な列車だ。今日もお目にかかれなかったが、いつかは乗り通してみたい列車である。そのシーライナー号を補完する列車がシーライナーリレー号だ。茶色い車体で内装がレトロ調になっているらしい。ここで出会えるとは思っても見なかった。
更に次に止まる岩手船越駅で普通列車と交換。そのあと陸中山田駅に止まり、宮古駅へと走り抜けた。この間ずっと山田線の線路を追いかけていた。多少のアップダウンはあるものの国道と平行していることもあり、そこそこ集落もある。決して鄙びてなどいないと思った。


ぐるっとさんりくトレイン
間合い運用の臨時快速列車
 
宮古駅で出発を待つ赤鬼キハ52系


8.岩泉線
宮古駅までは非常に快適に過ごせた。さて、予定よりもかなり早く宮古駅に着いてしまった。約1年ぶりの宮古駅だ。
そして始めて宮古駅の改札をくぐる。外はもう真夏の日射しで、例え三陸海岸だろうと暑いものは暑い。日陰を選んで周辺を歩く。今日こそ名物いちご弁当を買おうと売店に行ってみたが売り切れだと。時間も時間だから仕方ないけど、いつになったら食べられる事やら。
さてさて、今日のメインイベント、岩泉線についに乗ってしまいますよ。今日しっかりと乗っておかないと厄介なことになる。おいそれと来られる所じゃないから、しっかりと目に焼き付けておこう。再び訪れるその日まで。って事で岩泉線直通の普通列車の止まっているホームに歩を進める。
車両は赤鬼と称されるキハ52系の単行。真夏だというのにクーラーもない年代ものだ。只見線もクーラー無し車両だったことを思い出す。超ド級のローカル線の扱いが知れるってもんだ。そしてドアの位置が車両中寄りにあるってのもこの車両ならではだろうね。
客は本当に予想より多く、ほぼ埋まった状態で宮古駅を出発した。三鉄北リアス線と別れ、閉伊川に沿って進む。この辺は人家もそこそこあって、駅毎に降りる人がいる。20分ほどで茂市駅に到着。ここで大半の人が降りてしまった。乗り続ける乗客の中に私のようなテツは他にいないみたいだったと思う。
接続する快速リアス号を待つため、20分ほど停車。車内に荷物を残し茂市駅を出たり入ったりする。駅員さんがいるので余りやんちゃなことは出来ない。駅舎の中にはポイント操作盤が見えた。何の案内もなく、リアス号がやってきた。そしてすぐに行ってしまった。果たして何人のお客が岩泉線に乗り換えたかは定かではないが、人が増えた気配はない気がする。
時間になり、発車。岩泉線茂市駅山田線ホームと微妙に離れているため、すぐに山田線と別れ行く。一生のうち何度も訪れられないであろう岩泉線についに足を踏み入れた。両側が山、沢のような川、細い国道と併走しながら進んでゆく。小さな駅にひとつずつ止まるも、駅周辺の賑わいも人家も人影も全くない。噂に違わない凄い路線だ。
意外だったのは赤鬼の性能だ。登坂も問題ないし、下りに至ってはけっこうなスピードが出る。のんびりゆっくりのイメージが先行してしまったが、なかなかどうして、颯爽と駆けて行く。秘境駅で名を馳せる押角駅を発車すると長めのトンネルに突入。まるでブレーキのないトロッコみたいに転がってゆく。更にトンネルが連続していて、残念ながら車窓を楽しむ感じはないと思われる。
そして岩泉線内では乗降が全くないまま、ついに終点岩泉駅へと到着した。この間約50分。あっという間だった気がする。岩泉駅も線路が一本しかなく、途中交換できる駅もないから、この列車が折り返すまで貸し切り状態だ。ホームから少し下がったところに立派な駅舎がある。出ると、地元観光協会の方らしき人から龍泉洞コーヒーと観光パンフを戴いた。破格のサービスである。こんな事は初めての経験だ。
岩泉の街では列車よりバスの方が圧倒的に利便性が高いと聞く。そりゃそうだろう、1日3本しか来ない単行列車に依存するほど寂れちゃいない。日本三大鍾乳洞のひとつ、龍泉洞という絶好の観光スポットを抱えている。秋には国産松茸の産地としても誉れ高い。それでも列車利用者にこれだけサービスしてくれるのだから、岩泉線もその心意気に応えてほしいものだ。
さて、折り返しの列車が出るまで約50分。その間に我が後輩達が合宿をしているというホテルに行ってみようと案内地図を頼りに見知らぬ街をさまよう。山間の町だけに坂が多い。それでも歩いていると人と出会うこともしばしば。通りのあちこちに歓迎のビラが張り出されている。もちろん我が後輩達に向けられたものだが、合宿程度でこの歓迎されようったらないなぁ。こっちまで恥ずかしくなってしまう。でも何で岩泉で合宿を張ったのだろうか?。
  リンク→岩泉町
  リンク→龍泉洞


意外と立派な岩泉駅舎
 
ホームは1面 一日3本しか来ないのか…


9.山田線2
合宿先のホテルにたどり着いた。駅から歩いて15分ぐらいか。思ったより時間がかかってしまった。時間的に午後の練習中だと思っていたが、案の定誰もいなかった。こっちは列車に乗ることがメインなので、後輩達に会えなかったのは仕方のないこと。フロントに陣中見舞いと名刺を置いてすぐに立ち去った。でもまぁ彼らがここにいなかったら今もまだ岩泉線に乗れてなかったかも知れない。
今来た道を駅まで戻る。途中、高いところから駅裏手が見えた。岩泉駅の先まで線路が延びている。もちろん列車が入ることはないが、この先に伸延する予定があったことを伺わせるものだ。線路は木立の中に消えており、その切れ目は判らずじまいだった。
定刻になり岩泉駅をあとにする。同じ列車の同じ席に腰を下ろす。もちろん同じ運転士さん。ただし乗客は極めて少ない。日に3本しかないのにこれじゃなぁと思う。先ほど眺めた同じ風景をもう一度なぞりながら茂市駅まで戻ってきた。その頃にはもう日も落ちてきて、辺りは暗くなりかけてきた。
さっきは通らなかった茂市駅跨線橋を通り、山田線のホームに移動する。今気付いたが、茂市駅構内は結構広く、かつては側線などがいっぱいあったに違いない。さてこの時間は茂市駅3本の列車が揃い踏む。まず宮古行きの列車がやってきた。時間帯のせいもあって、以外と乗っている。その中にはテツとおぼしきグループもいて、わざわざ列車から降りてきて写真をパチパチ撮っている。この先どこへ向かうのだろうかね。
5分ほどして盛岡行き普通列車が到着。車両はやはり赤鬼キハ58。しかしこちらはガラガラもいいとこ。私は敢えて2両目に乗ったが、この先ずーっと2両目は私ひとりの貸し切り状態だった。1両目にも数人しか乗っていない。本当にこれで良いのか?。青春18きっぷで乗車するのが申し訳ない気持ちになってしまった。
外はもうとっぷりと日が暮れ、灯りもないところを進むゆえ全く見えない。人家も国道の街灯もまばらにしかなく、車内の灯りが強すぎて外は何も窺い知れない。これはつまらない。楽しみにしていた秘境駅も周囲の雰囲気があってこそだ。ただ駅がぽつんとあるだけじゃダメだろう。
仕方ない、山田線の気分だけでも味わうことにしよう。それにしても見事なくらい何もないな。しかもひとりぼっちの車両ってのも心細いものだ。よっぽど前の車両に移ろうかとも考えたが、滅多にない経験なので山田線不思議な思い出としよう。
区界駅で交換のため10分強停車。この停車が厄介だ。ここをスムーズに行けば最終の新幹線に間に合うというのに…。どうして接続させないのだろう?。(この文を書いている2008年に於いても接続は考慮されていない。)車内に動きが全くないので区界駅でちょっと降りるのも躊躇してしまった。もっとも街灯に群がる虫を見ると降りてみる気も失せるが。
交換も済み盛岡駅へと再び向かう。列車は下り坂の割に遅いうえ、駅間も長いので手持ちぶさただ。浅岸駅大志田駅といった駅をやり過ごし、街の灯りが大きくなってきた。上米内駅に到着。ついに数人が乗ってきた。何だかホッとする。上盛岡駅でも乗客があり、最後の最後でちょっとだけ賑わった。左に大きくカーブをすると終点盛岡駅だ。新幹線高架下の長いホームにちょこんと止まる。今朝、盛岡駅を出発してから14時間弱。無事戻って参りました。
  リンク→JR東日本盛岡支社


茂市駅山田線ホーム
更に向こうに岩泉線ホームがある
 
秘境駅として名高い大志田駅標


10.らくちん号
何度も言うが到着があと5分も早ければ、新幹線に間に合うのになぁ…。高速バスらくちん号が出るまで2時間もある。まずは今日の疲れを取ろうと銭湯へ行く。暑かったから一刻も早く風呂に入りたい。予めネットで盛岡駅周辺の銭湯を検索しておいた。ホントにネットって便利。そこへ向け急ぎ歩を進める。
盛岡駅から最も近い銭湯清川湯という。営業時間が22時までなので風呂→メシの順じゃないとダメだ。以前京都では無計画だったが故に風呂に入れなかった教訓があったからだ。本当はおなかも相当空いているけど…。
北上川を渡ってちょっとした繁華街へ。こんな所に銭湯があるのかいなと訝りながら探す。するとあったあった清川湯。瓦屋根の銭湯を予想していたが、ビルになっていた。ちょっと薄暗いうえに看板も小さいので見落とすところだったよ。番台で350円を払いいざ浴室へ。
中は至って普通の銭湯で、特筆するものはないかも。マイ石鹸をキープする棚にずらりと並んでいるところをみると常連さんの多いことが判る。他所者には敷居が高く感じられる。今日は始めから入浴することを予定していたので、ちゃんと石鹸、シャンプーを用意しておいた。
ゆっくり1時間ほど風呂につかる。東北の方々は気さくなので、他所者にも平気で話しかけてくる。人情があって、だから私は東北が大好きなのだ。でもまぁ盛岡は都会だから言葉も通じる。以前青森の浪岡で入ったときには、言葉がわからず申し訳ないことをしたものだ。
さて、入浴のあとは食事だ。盛岡といえば冷麺だけど、ゴムみたいであんまり好きじゃないのよ。代わりにじゃじゃ麺と言って冷やしうどん肉味噌乗せを食べる。これもまた盛岡名物。おいしかった。
発車10分前に駅に戻る。池袋で待つのと同様、こちらもたくさんの人夜行バスを待っている。往復共に大人気だ。これだけいればやはりバス4台必要だろうよ。需要高いな~と感心してしまう。ちょっと遅れてバスが続々やってきた。やはり皆、荷物が大きい。
帰りのバスは3号車。国際興業のロゴ。足下が行きとちょっと違う感じで、伸ばしやすい。やっぱり快適。そして満車。
昨日の今日でさすがに疲れた。風呂も入り、腹も満たされれば自然と瞼も重くなる。高速道路に入ったなと一定のスピードで走っていることから判る。と記憶はそこまで。
目覚めると池袋ビックカメラパソコン館前に到着していた。こりゃいけない、慌てて支度する。席が前の方だったから人の動きで運良く目覚めたようだ。後ろだったら……。早朝といえども東京は既に暑い。バスを降りた瞬間感じる。さて数時間後には仕事をせねば。そう思うと、やはり戻れるのならばその日のうちに戻りたかった。


11.総括
ついに東日本で一番訪れ難いであろう岩泉線に乗った。噂に違わぬ秘境っぷりでただただ感動。そしてわざわざ乗りに行く価値のある事も知った。山田線についても今度はぜひ昼間に乗りたい。釜石線も見所多く、予想以上に乗りごたえのある旅だった。思わぬ出会いもあったことだし…。
北上線の件など、まだ旅慣れていなかったことが顕著に顕れていよう。今ならば余りそうな時間は街に繰り出してみたり食事や休息に当てるが、当時は青春18きっぷ恩恵を最大限活用しようと中途半端な事をしてみたりする。待つより乗っていた方が良いこともあるので一概にセコいとは言い難いが、今回のはわざわざ新幹線使ってまですることだったかなと反省するケースかも?。
もったいなかったといえば、やはり龍泉洞に行きたかったな。ただ日帰りの旅に関して、岩泉線と龍泉洞は絶対に相容れない。(というか普通日帰りしない。)手元にある龍泉洞コーヒーで我慢だな。
最後に声を大にして言いたいことは東北はイイ。これだけは絶対に伝えたい。東北大好き!。


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